私は、海外で会社員として働き、日本では外国人社員・アルバイトの採用やマネジメントに関わってきました。
今回は、私自身の実体験を軸に、
「トラブルを防ぎ、定着につながった実践ポイント」をお伝えします。
1.外国人社員は、複数名いたほうがいい
外国人採用を検討する企業から、よく聞く言葉があります。
「本当はもっと人手が必要ですが、初めてなのでまずは一人から試してみようと思っています。」
この考え方自体は、とても自然です。
ただ、日本人ばかりの職場で、外国人が一人だけ働く状況は、想像以上に孤独になりやすいのも事実です。
もちろん、すぐに会社に馴染む方もいます。
しかし、「同じ外国人が職場にいる」だけで心理的な安心感は大きく変わります。
必ずしも同じ国籍の方ではなくても構いません。
実際、厚生労働省が出した「外国人雇用状況の届出状況まとめ」でも、外国人労働者が抱える困りごとの一つに、「相談できる相手がいない」ことが挙げられています。
どうしても一人だけ採用する場合は、必ずメンター(指導者・相談役)をつけるべきです。
理想は、
- 外国人マネジメントの経験がある
- 文化的な違いを前提として理解できる
そんな方が、職場の中に一人でもいることです。
2.外国人社員の文化に興味を持つ
外国人採用の話になると、「文化や宗教への配慮が必要」という表現をよく耳にします。
もちろん、
- お祈りの時間
- 食事制限(ハラールなど)
といった配慮は欠かせません。
しかし、私の経験上、特に効果があったのは、「文化に興味を持つ姿勢」 でした。
例えば、外国人社員の出身国の料理が食べられるレストランで懇親会を開く。
その料理の説明やオーダーをお願いする。
すると、普段はおとなしいタイプの方でも、驚くほど生き生きと話し始めることがあります。
2025年8月に帝国データバンクの調査でも、企業側の課題として 「コミュニケーションが難しい」 と感じている割合は 55.7% と高水準です。
「配慮」よりも一歩踏み込み、相手の背景に純粋な関心を持つことが、信頼関係づくりに直結すると感じています。
3.キャリアパスが見えない職場に、人は残らない
外国人採用で、もう一つ大きな分かれ道になるのがキャリアの見せ方です。
- 「外国人だから、この業務だけ」
- 「とりあえず現場要員として」
こうした扱いは、短期的には現場が回っても、中長期的には確実にモチベーションを下げます。
重要なのは、国籍ではなく、“役割と成長”で評価することです。
- 将来どんな業務を任せたいのか
- どんなポジションを目指せるのか
- 評価は何で決まるのか
これを明確に伝えるだけで、仕事への向き合い方は大きく変わります。
外国人社員が役職者やリーダーとして活躍する環境をつくることは、本人のモチベーション向上だけでなく、他の外国人社員にとっても行動の指針になります。
4.注意すべきところは、遠慮せずに注意する
「文化が違うから……」そう思って、注意すべき行為を黙認してしまうケースも少なくありません。
しかし、これは後々、職場に大きな亀裂を生む原因になります。
文化の違いを理解することと、NGな行為を許容することは、まったく別です。
- ルール違反
- 安全面の軽視
- 周囲への配慮不足
こうした点については、日本人社員と同じ基準で、きちんと伝えることが重要です。
むしろ、
「ちゃんと注意してもらえる」
「期待されていると感じられる」
ことで、信頼関係が深まる場面も多くあります。
5.「この国の人はこうだ」という思い込みを捨てる
外国人採用について企業と話していると、
「◯◯国の人は性格的に合わない」
「△△国の人はすぐ辞める」
といった、国籍ベースのネガティブな話が出ることがあります。
確かに、国ごとの傾向は存在します。
ただし、それはあくまで傾向であって、答えではありません。
最終的に向き合うべきなのは、国籍ではなく、一人ひとりの個性です。
この視点を持てるかどうかで、マネジメントの質は大きく変わります。
まとめ:外国人採用は「人を見る力」が試される

外国人社員とのトラブルを防ぐために、私が実体験から強く感じているポイントは次の通りです。
- 外国人社員は複数名採用する
- 外国人社員の文化に興味を持つ
- キャリアパスを明確に示す
- 注意すべきことは、遠慮せずに伝える
- 国ではなく「個人」として向き合う
外国人採用は、制度対応だけで成功するものではありません。
人と人として向き合い、職場をどう設計するか。
そこにこそ、定着と成果の分かれ道があります。
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