特定技能の採用面接では、書類上の情報だけで、その方が自社に合う人かどうかを判断するのは難しいです。
必要な資格や職歴に加えて、実際の受け答えやコミュニケーションの取り方も確認する必要があり、日本での仕事や生活をどこまで理解しているかを見ることも重要です。
特定技能の面接には、海外の現地へ企業担当者が出向く方法や、国内在住者と対面で行う方法もありますが、海外から採用する場合は、オンラインで面接を行うケースが多いです。オンライン面接では、画面越しで候補者の人柄や日本語力を見極めなければなりません。
特に海外から応募する方は、自己紹介や志望理由の練習を十分に行っていることが多く、候補者ごとの違いが分かりにくい場合もあります。
本記事では、特定技能の面接で確認したい3つのポイントのと、現場で使える一般質問集と応用質問集をご紹介します。
1.日本語力に差がない場合は、笑顔や声の大きさに注目する
複数の候補者を面接すると、日本語力や経歴に大きな差がないことがあります。
その場合は、笑顔や声の大きさ、返事の仕方などに注目します。こうした部分には、候補者の人柄やコミュニケーションに対する姿勢が表れることが多いです。
面接では、どの候補者も少なからず緊張しているため、私自身、緊張していること自体はマイナス要素として捉えていません。
むしろ、同じように緊張する状況の中で、笑顔を見せられるか、聞き取りやすい声で話せるか、自分の良さを伝えようとする姿勢があるかを確認します。
日本で働き始めると、面接以上に緊張する場面や、自分から意思を伝えなければならない場面も少なくありません。
そのため、面接の段階で笑顔を見せられる方や、自分の良さを積極的に伝えようとする方は、プラスに評価しています。私の経験上、そのような方は、入社後も自分から周囲とコミュニケーションを取り、職場で活躍する可能性が高い傾向があります。
ただし、単に明るいかどうかだけで判断するべきではなく、質問を最後まで聞いているか、きちんと返事ができるか、分からないときに自分から確認できるかも併せて確認することが大切です。
2.角度を変えた質問をする
「なぜ日本で働きたいですか」
「なぜこの仕事を選びましたか」
このような基本的な質問は、候補者の考えを確認するために必要です。
冒頭でもお伝えしたとおり、ほとんどの候補者は事前に回答を準備しており、面接練習を繰り返している場合もあります。
そのため、基本的な質問だけでは、当たり障りのない回答になりやすく、候補者ごとの違いが見えにくいこともあります。
そこで、基本的な質問に加えて、少し角度を変えた質問を行います。
例えば、候補者が「日本の~が好きです」と答えたとします。その場合は、「日本の~のどのようなところが好きですか?」と聞いてみます。
準備された回答から少し外れた質問をすることで、本人の考えが見えやすくなります。また、実際の日本語力も確認する事ができます。
ただし、JLPT N4やJFT-Basic A2レベルの候補者に対して、早口で話したり難しい単語を使ったりすると、質問そのものを理解できないケースが多いです。
やさしい日本語を使いながら、少しだけ考える必要がある質問をすることが大切です。
3.仕事内容や生活条件を本当に理解しているか確認する
採用後のミスマッチを防ぐためには、仕事内容や生活条件の確認が必要です。
夜勤、残業、立ち仕事、寮生活、勤務地などを具体的に説明しましょう。
例えば、「夜勤は大丈夫ですか」と聞いた場合、多くの候補者は「大丈夫です」と答えます。
そこで、「夜勤は何時から何時までだと聞いていますか」や「夜勤のある生活をどのように考えていますか」と質問します。本人の言葉で説明してもらうことで、理解度を確認しやすくなります。
企業側も、良い条件だけを説明するのではなく、仕事の大変な部分も、面接の段階で伝えることが重要です。実際の職場環境などについても、具体的に説明しましょう。
候補者が条件を理解したうえで働きたいと考えているかを確認することで、入社後の認識違いや早期離職を防ぎやすくなります。
特定技能の面接で使える一般質問・応用質問集
ここでは、特定技能の面接で使える一般的な質問集と応用質問集をご紹介します。
| 一般的な質問例 | 応用質問例 |
|---|---|
| 自己紹介をお願いします | 日本の嫌いなところはありますか |
| 趣味は何ですか | 日本での生活で、一番心配なことは何ですか |
| 日本の好きなところは何ですか | 日本に来るまで、母国でどのように過ごしますか |
| 日本に来たことはありますか | この仕事以外で、やってみたい仕事はありますか |
| なぜ日本で働きたいですか | 仕事でミスをしたとき、どうしますか |
| なぜこの特定技能の分野を選びましたか | 上司の説明が分からないときは、どうしますか |
| なぜ当社へ応募しましたか | 仕事で注意されたら、どうしますか |
| これまで、どのような仕事をしましたか | 仕事が思っていたより大変だったら、どうしますか |
| あなたの長所と短所を教えてください | 最近うれしかったことを二つ教えてください |
| 日本で何年間働きたいですか | 昨日したことを、朝から順番に教えてください |
| 家族は何人いますか | 最近見た日本のニュースはありますか |
| 将来の目標は何ですか | 困ったとき、誰に相談しますか |
| この仕事の大変なところは何だと思いますか | 日本での生活費はどのくらいかかると思いますか |
| チームで働いた経験はありますか | 毎月どのくらい貯金したいですか |
| 仕事で大切だと思うことは何ですか | ○○市は~のような場所ですが、どう思いますか |
回答内容だけでなく、質問を理解できているか、自分の言葉で説明できるか、分からないときに聞き返せるかも確認しましょう。
面接だけで候補者を見分けるのは難しい
ここまでのポイントや質問を活用しても、入国前の候補者を短時間の面接だけで見分けることは簡単ではありません。
一方で、送り出し機関によって、紹介される方に一定の傾向が見られることがあります。
例えば、日本語教育の方法や生活指導の内容は、送り出し機関ごとに異なります。候補者の選抜方法にも違いがあります。
数百人単位で継続的に採用している企業であれば、送り出し機関ごとの違いを分析し、入社後の活躍状況や定着率を記録すれば、送り出し機関ごとの傾向も見えてくるでしょう。
しかし、多くの企業では、十分な採用データを自社だけで集めることができません。
そのため、海外から採用する場合は、候補者本人の面接だけでなく、送り出し機関の選定も重要となります。
KAKKIでは、外国人材採用メディア「外国人材採用ツナガル24」を運営する株式会社ジェイティップス(J-TIPS)と業務提携しています。
J-TIPSとの連携を通じて、教育体制や紹介実績などを確認した送り出し機関から、企業の仕事内容や採用条件に合う候補者を選抜してご紹介します。
まとめ
特定技能の面接では、日本語力や経歴だけで判断することは難しいです。
候補者同士に大きな差がない場合は、笑顔や声の大きさにも注目しましょう。自分をアピールする姿勢などは、重要な判断材料になります。
また、基本的な質問だけで面接を終わらせないことが大切です。やさしい日本語を使った応用質問を加えることで、候補者の本当の考えや実際の日本語力を確認しやすくなります。
仕事内容や生活条件についても、本人の言葉で説明してもらいましょう。正しく理解できているかを確認することで、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。
ただし、短時間の面接だけですべてを見極めることは困難であるため、海外から採用する場合は、候補者の選定だけでなく、送り出し機関の選定も重要になります。