2026年7月27日、出入国在留管理庁は「育成就労制度の概要(令和8年7月改訂)」と、日本語教育機関の講習提供状況一覧表を公表しました。
2027年4月1日から始まる育成就労制度では、外国人材の技能育成だけでなく、日本語能力を向上させるための講習や学習機会の提供が受入れ企業に義務付けられます。
「日本語講習は何時間必要なのか」
「日本語教育はどこに依頼すればよいのか」
「講習費用は誰が負担するのか」
こうした疑問を持つ企業も多いのではないでしょうか。
今回は、育成就労制度で求められるA1・A2の日本語能力要件と、企業が準備すべき日本語教育の体制について解説します。
この記事のポイント: 2027年4月から始まる育成就労制度では、外国人材への日本語教育が義務となります。企業は必要な日本語講習を受けられる環境を整えるとともに、講習費用の負担や教育機関の確保などの準備が必要です。
1.育成就労制度では日本語教育が義務に
育成就労制度は、原則3年間の就労を通じて、外国人材を特定技能1号の水準まで育成することを目的とした制度です。
これまでの技能実習制度でも日本語教育は行われてきましたが、新制度では日本語能力の向上が制度上の目標として、より明確に位置付けられています。
そのため、受入れ企業には仕事を教えるだけでなく、一定の日本語能力を身につけられるよう、学習機会を提供することが求められます。
日本語教育を外国人材本人の努力だけに任せるのではなく、企業も育成に関わる必要があるという点が重要です。
関連記事:特定技能と育成就労の違いを比較 企業はどちらを選ぶべき?
2.A1・A2とは?必要な日本語能力を解説
育成就労制度では、日本語能力の到達目標が段階的に設定されています。
| 時期 | 日本語能力の要件 |
|---|---|
| 就労開始前 | A1相当の試験合格、または所定の日本語講習受講 |
| 育成就労開始から1年以内 | A1相当の日本語試験の受験 |
| 育成就労期間中 | A2を目標とする日本語講習 |
| 育成就労終了時 | A2.2相当以上の日本語試験への合格 |
※分野によっては、より高い日本語能力が求められる場合があります。
① A1レベル(JLPT N5相当)
A1は、日本語学習の初期段階にあたるレベルです。
例えば、
- 簡単な自己紹介ができる
- 基本的な挨拶や短い会話ができる
- ゆっくり話された簡単な指示を理解できる
といった能力が目安となります。
② A2レベル(JLPT N4相当が目安)
A2は、日常生活に必要な基本的な日本語を理解し、簡単なやり取りができるレベルです。
例えば、
- 日常生活で簡単な会話ができる
- 職場で基本的な指示を理解できる
- 簡単な報告や質問ができる
といった能力が求められます。
育成就労終了時には、原則としてA2.2相当以上の日本語試験への合格が目標となります。
ただし、試験に合格したからといって、実際の職場で十分なコミュニケーションが取れるとは限りません。
そのため、仕事で使う日本語も継続して学ぶことが重要です。
3.日本語講習は何時間必要?
育成就労制度では、日本語教育について次の講習が設けられています。
① A1相当講習:100時間以上
就労開始前までに、原則としてA1相当の日本語講習を100時間以上受講する必要があります。
ただし、A1相当以上の日本語試験に合格している場合は、この講習を省略できます。
② A2目標講習:100時間以上
育成就労期間中には、A2を目標とした日本語講習を100時間以上受講できる機会を提供する必要があります。
なお、原則としてA2.2相当以上の日本語試験に事前に合格している場合は、講習を省略できます。
つまり、対象者によってはA1・A2の講習を合わせて200時間以上受講することになります。
日本語講習は、認定日本語教育機関、または一定の要件を満たす登録日本語教員によって実施されます。
4.KAKKIでも外国人材向け日本語講習に対応
株式会社活喜(KAKKI)には、豊富な日本語教育の経験を持つ国家資格「登録日本語教員」が在籍しており、外国人材向けの日本語講習を提供することが可能です。
日本語教育では、試験に合格するための知識だけでなく、実際の職場や日常生活で使える日本語を身につけることも重要です。
例えば、上司からの指示の理解、同僚とのコミュニケーション、仕事に関する報告や相談など、業種や仕事内容によって必要となる日本語は異なります。
KAKKIでは、こうした現場での日本語の必要性も踏まえ、外国人材の日本語能力や企業様の状況に合わせた、実践的な日本語教育を大切にしています。
育成就労制度に対応した日本語講習についても、必要な実施要件を確認したうえで対応してまいります。
日本語講習の依頼先をお探しの企業様や、外国人材の日本語教育についてお悩みの企業様は、お気軽にご相談ください。
5.日本語教育の費用は誰が負担する?
企業にとって気になるのが、日本語講習にかかる費用ではないでしょうか。
育成就労制度では、受入れ企業または監理支援機関が、日本語能力向上に必要な費用を負担する仕組みとなっています。
そのため、外国人材の採用費用だけでなく、日本語講習の費用も含めて受入れ計画を立てることが重要です。
また、2026年7月27日には、出入国在留管理庁が日本語教育機関の講習提供状況一覧表を公開しました。
この一覧表は、日本語講習を依頼する教育機関を探す際の参考資料として活用できます。
6.受入れ企業が準備すべき3つのポイント
2027年の制度開始に向けて、企業が準備しておきたいのは次の3つです。
① 日本語教育の費用を採用計画に含める
育成就労では、採用費用や監理支援機関への費用に加え、日本語講習の費用も考える必要があります。
講習の時間数や実施方法によって費用が変わるため、事前に確認しておくことが重要です。
② 日本語教育を依頼する機関を確保する
社内で日本語教育を行うことが難しい場合は、外部の日本語教育機関や登録日本語教員による講習の活用が考えられます。
特に、地方では日本語教育機関が限られている場合もあるため、早めの準備が必要です。
オンライン講習も選択肢に入れながら、自社に合った日本語教育の方法を検討するとよいでしょう。
③ 現場で使う日本語も教える
制度上の講習を受けさせるだけで、日本語教育が十分になるとは限りません。
例えば、製造業では機械の操作手順、介護では利用者との会話、物流業では作業指示や安全確認など、それぞれの職場で必要な日本語があります。
試験対策だけでなく、実際の仕事や日常生活で使える日本語を身につけることが重要です。
まとめ
2027年4月から始まる育成就労制度では、日本語教育がこれまで以上に重要になります。
原則として、就労開始前のA1相当から育成就労終了時のA2.2相当まで、日本語能力を段階的に向上させることが求められます。
日本語教育というと、JLPTなどの試験合格を目標にするイメージが強いかもしれません。
しかし、KAKKIでは、日本語教育の目的は試験に合格することだけではないと考えています。
日本語が理解できるようになれば、仕事の指示が分かりやすくなり、職場でのコミュニケーションも取りやすくなります。また、自分の考えや困っていることを伝えられるようになることも重要です。
株式会社活喜(KAKKI)には、豊富な日本語教育の経験を持つ国家資格「登録日本語教員」が在籍しており、外国人材向けの日本語教育を提供することが可能です。
外国人材が安心して働き、長く活躍できる環境をつくるためにも、企業は早い段階から日本語教育の体制を整えておくことが重要です。
外国人材の日本語講習をご検討の企業様は、お気軽にご相談ください。
参考資料
※本記事は2026年7月27日の公表資料を起点とした解説です。制度の詳細は変更される場合があるため、実際の受入れに当たっては最新の公式資料をご確認ください。満たす必要があります。ご確認ください。