2026年8月5日、出入国在留管理庁は「2号特定技能外国人の業務内容について」を公表しました。
特定技能2号は、熟練した技能を持つ外国人材が、対象分野で長期的に働くことができる在留資格です。
今回の公表では、特定技能2号外国人が従事できる主な業務や、付随して行うことができる関連業務が分野ごとに示されています。
「特定技能1号と2号では、仕事内容がどう違うのか」
「2号になれば、どのような仕事でも任せられるのか」
「現在働いている外国人材を、将来的に2号へ移行させることはできるのか」
こうした疑問を持つ企業もあるのではないでしょうか。
今回は、特定技能2号で認められる仕事内容と、企業が考えておきたい外国人材のキャリア形成について解説します。
この記事のポイント: 特定技能2号では、11分野で熟練した技能を必要とする業務に従事できます。現場作業に加え、従業員の指導や工程管理などを担う分野もあります。ただし、関連業務だけを任せることは原則として認められていません。
1.特定技能1号と2号の違いとは?
特定技能には、1号と2号の2種類があります。
特定技能1号は、一定の知識や経験を持つ外国人材が対象となり、在留期間は原則として通算5年間が上限です。
一方、特定技能2号は、さらに熟練した技能を持つ外国人材が対象となります。
主な違いは次のとおりです。
| 比較項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 技能水準 | 相当程度の知識・経験 | 熟練した技能 |
| 在留期間の通算上限 | 原則5年 | なし(更新が必要) |
| 家族帯同 | 原則不可 | 配偶者・子は可能 |
| 義務的支援 | 必要 | 対象外 |
特に大きな違いは、特定技能2号では在留期間の更新を続けることで、長期的に日本で働けるという点です。
また、一定の条件を満たせば、配偶者や子どもを日本に呼び寄せることもできます。
ただし、1号から2号へ自動的に移行できるわけではありません。分野ごとに定められた技能試験や実務経験などの要件を満たす必要があります。
2.特定技能2号で働ける11分野と主な業務
2026年8月5日に公表された情報では、特定技能2号の対象となる11分野について、従事できる仕事内容が示されています。
主な業務をまとめると、次のとおりです。
| 分野 | 主な業務内容 |
|---|---|
| ビルクリーニング | 建築物の清掃、作業員の指導、現場管理 |
| 工業製品製造業 | 機械加工、溶接、組立てなどの作業・工程管理 |
| 建設 | 土木・建築・設備工事、作業員の指導・工程管理 |
| 造船・舶用工業 | 船舶の製造・修理、作業員の指揮・管理 |
| 自動車整備 | 自動車の点検・整備、他の整備員への指導 |
| 航空 | 空港の地上支援業務の管理、航空機整備 |
| 宿泊 | フロント、接客、企画・広報、従業員の指導 |
| 農業 | 栽培・飼養管理、品質管理、人材育成 |
| 漁業 | 漁業・養殖業務、作業員の指導・工程管理 |
| 飲食料品製造業 | 食品の製造・加工、衛生・品質・従業員管理 |
| 外食業 | 調理・接客・店舗管理、店舗経営 |
※各分野の代表的な業務を抜粋しています。実際に従事できる仕事は、業務区分や分野別の規定によって異なります。
特に製造業や建設業、宿泊業などでは、現場での作業だけでなく、他の従業員を指導したり、仕事の進み具合を管理したりする役割も求められています。
一方、航空機整備のように、自らの判断で専門的な整備を行う技能が重視される業務もあります。
つまり、特定技能2号は単に仕事の経験年数が長いだけではなく、それぞれの分野で熟練した技能を持つことが重要になります。
なお、介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業などは、今回示された特定技能2号の対象11分野には含まれていません。
3.「主な業務」と「関連業務」はどう違う?
今回の公表で、企業が特に確認しておきたいのが、主な業務と関連業務の違いです。
① 主な業務とは
主な業務とは、特定技能2号外国人が中心となって従事する仕事です。
例えば、製造業であれば製造工程の作業や管理、宿泊業であれば従業員を指導しながら行うフロントや接客などが該当します。
② 関連業務とは
関連業務とは、主な業務に付随して行う仕事のことです。
例えば、次のような業務が挙げられます。
- 工業製品製造業: 原材料や部品の運搬、フォークリフトの運転、清掃など
- 自動車整備: 部品の発注、洗車、車内清掃など
- 宿泊: ホテル内での物品販売、備品の点検・交換など
ただし、関連業務が認められているからといって、その仕事だけに従事させてよいわけではありません。
例えば、製造業で採用した外国人材に、製造工程の仕事を任せず、倉庫内の運搬作業や清掃だけを担当させることは認められません。
特定技能2号でも、在留資格で認められた主な業務に従事することが基本となります。
そのため、採用時には実際に任せる仕事内容を整理し、対象業務に該当するか確認する必要があります。
関連記事:【2026年最新】技人国・特定技能では就けない仕事10選(外国人採用で注意したい職種)
4.特定技能2号への移行と企業が準備すべきこと
現在、特定技能1号で働いている外国人材を2号へ移行させる場合、企業は早い段階から準備しておくことが重要です。
特に確認しておきたいのは、次の3つです。
① 技能試験と実務経験の要件を確認する
特定技能2号へ移行するには、分野ごとに定められた技能試験や実務経験などの要件を満たす必要があります。
例えば、飲食料品製造業では、複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理した経験が求められます。
単に同じ仕事を長く続けるだけでは、2号への移行要件を満たせない場合があります。
② 日本語能力の向上も考える
特定技能2号では、熟練した技能に加え、他の従業員への指導や工程管理を担うこともあります。
日本語能力試験はすべての分野で義務付けられているわけではありませんが、外食業や漁業などではJLPT N3以上が必要です。
また、日本語試験が求められない分野でも、実際の職場では仕事の指示や説明、後輩への指導など、一定の日本語能力が必要になります。
そのため、特定技能2号への移行を見据え、技能だけでなく日本語能力も継続して高めていくことが重要です。
株式会社活喜(KAKKI)には、豊富な日本語教育の経験を持つ「登録日本語教員」が在籍しており、外国人材向けの日本語教育を提供しています。
試験対策だけでなく、職場でのコミュニケーションや業務に必要な日本語など、企業様のニーズに合わせた日本語教育をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
③ 長く働ける職場環境を整える
特定技能2号では、在留期間の通算上限がなくなり、長期的に働くことが可能になります。
しかし、制度上長く働けることと、実際に同じ会社で働き続けてもらえることは別の問題です。
給与や昇給、キャリアアップの機会など、外国人材が将来を考えられる環境づくりも必要です。
関連記事:外国人社員が安心して働ける社内体制づくり
まとめ
2026年8月5日、出入国在留管理庁は特定技能2号外国人が従事できる仕事内容について公表しました。
特定技能2号では、11分野で熟練した技能を必要とする業務に従事でき、現場作業だけでなく、従業員の指導や工程管理などを担う分野もあります。
一方で、関連業務だけに従事させることは原則として認められておらず、企業は仕事内容を適切に確認する必要があります。
KAKKIでは、外国人材を採用する際には、採用時の能力だけでなく、将来どのように成長し、活躍してもらうかを考えることも大切だと考えています。
特定技能1号から2号への移行を見据え、技能や日本語能力を高められる環境を整えることが、長期的な定着につながるのではないでしょうか。
株式会社活喜(KAKKI)では、外国人材の紹介や日本語教育を通じて、企業様の採用と人材育成を支援しています。
外国人材の採用や特定技能2号への移行をご検討の企業様は、お気軽にご相談ください。
参考資料
※本記事は2026年8月5日の掲載情報を起点として解説しています。対象業務や移行要件は分野ごとに異なるため、実際の申請に当たっては最新の運用要領や分野別の規定をご確認ください。