22026年7月30日、環境省は特定技能「資源循環分野」における受入れ基準を定めた告示第36号を公布しました。
資源循環分野は、2026年1月に特定技能制度の対象に追加された新しい分野で、産業廃棄物や一般廃棄物の中間処理業務が対象となっています。
今回の告示では、受入れ企業に必要な許可・認定、協議会への加入、優良機関認証、登録支援機関への委託条件などが正式に定められました。
「産業廃棄物処分業の許可があれば外国人材を採用できるのか」
「優良機関認証とはどのような制度なのか」
「登録支援機関に委託する場合も条件があるのか」
こうした疑問を持つ企業もあるのではないでしょうか。
今回は、2026年7月30日の告示で定められた受入れ基準と、企業が準備しておきたいポイントについて解説します。
この記事のポイント: 特定技能「資源循環分野」では、廃棄物の中間処理を行っているだけでは外国人材を受け入れられません。対象となる許可・認定に加え、協議会への加入や優良機関認証などが必要です。登録支援機関に委託する場合にも条件があるため、事前の確認が重要です。
1.今回の告示で何が変わった?
資源循環分野は、2026年1月23日の閣議決定によって、特定技能制度の対象に追加されました。
すでに対象業務や受入れ対象企業などの基本的な方針は示されていましたが、今回の告示によって、企業が満たすべき具体的な基準が正式に定められました。
今回の主な内容は次のとおりです。
| 項目 | 受入れ基準 |
|---|---|
| 対象事業者 | 所定の廃棄物処分業の許可・認定等を受けた事業者 |
| 協議会 | 資源循環分野の協議会への加入が必要 |
| 優良機関認証 | 協議会による認証が必要 |
| 支援体制 | 委託先の登録支援機関にも所定の協力義務 |
| 実務経験 | 本人の求めに応じた証明書の交付 |
なお、今回の告示によって、直ちに外国人材の受入れが始まるわけではありません。
技能評価試験や協議会の受入れ体制など、制度開始に必要な準備が引き続き進められています。
関連記事:【2027年開始予定】特定技能「資源循環」とは?受入れ対象企業・要件・業務内容を徹底解説
2.受入れ企業に求められる4つの条件
今回の告示で、特に確認しておきたいのは次の4つです。
① 対象となる許可・認定を受けていること
資源循環分野で外国人材を受け入れるには、廃棄物処理法などに基づく所定の許可・認定を受けている必要があります。
例えば、
- 一般廃棄物処分業者
- 産業廃棄物処分業者
- 特別管理産業廃棄物処分業者
- 各種リサイクル法に基づく認定事業者
などが対象となります。
ただし、廃棄物処理業の許可があれば、どのような事業者でも受け入れられるわけではありません。
実際に廃棄物の中間処理を行っていることが重要です。
例えば、廃棄物の収集運搬のみを行う事業者は、資源循環分野での受入れ対象にはなりません。
② 協議会への加入が必要
資源循環分野で特定技能外国人を受け入れる企業は、環境省が設置する協議会の構成員になる必要があります。
協議会では、外国人材の適切な受入れや労働環境の整備などについて、情報共有や必要な確認が行われます。
また、企業には協議会で決定された事項への対応や、調査などへの協力も求められます。
受入れ企業は、外国人材を採用する前に協議会への加入手続を進める必要があります。
③ 優良機関認証を受けること
今回の告示で、特に重要なのが「優良機関認証」です。
資源循環分野では、受入れを希望する企業に対して、協議会が書面と実地による確認を行います。
そして、優良機関認証を受けられなかった場合、特定技能外国人の受入れ要件を満たさないことになります。
また、この確認は受入れ前だけでなく、受入れ後も定期的に実施されます。
つまり、一度認証を取得すれば、それ以降は何も確認されないというわけではありません。
なお、廃棄物処理法に基づく「優良産廃処理業者認定制度」と、今回の「優良機関認証」は別の制度です。
具体的な審査項目については、協議会から公表される情報を確認する必要があります。
④ 登録支援機関への委託にも条件がある
特定技能1号では、外国人材への生活支援や定期面談などを登録支援機関に委託できます。
しかし、資源循環分野では、委託先の登録支援機関にも一定の条件が設けられています。
具体的には、協議会や環境省が行う調査・指導などに必要な協力を行う登録支援機関であることが求められます。
そのため、受入れ企業は登録支援機関を選ぶ際に、費用や対応言語だけでなく、資源循環分野の制度に対応できるかも確認しておく必要があります。
3.受入れ後も企業が対応すべきこと
今回の告示では、採用時の条件だけでなく、外国人材を受け入れた後の対応についても定められています。
① 協議会などによる確認への協力
受入れ企業は、協議会や環境省などによる調査・指導に必要な協力を行う必要があります。
資源循環分野は、破砕機や焼却設備などを使用することもあるため、現場の安全管理が重要です。
日頃から作業手順や安全衛生教育の実施状況などを確認し、適切な労働環境を整えておくことが大切です。
② 実務経験を証明する書類の交付
今回の告示では、外国人材本人から求められた場合、資源循環分野での実務経験を証明する書類を交付することも定められています。
例えば、外国人材が将来的に転職を検討する場合などに、これまでどのような仕事を経験したかを示す資料として役立ちます。
そのため、企業は採用後も担当業務や従事期間などを適切に記録しておくことが重要です。
4.外国人材の受入れに向けて準備すべきこと
今回の告示によって受入れ条件が明確になった一方で、実際の採用に向けては、まだ準備が必要です。
企業が今から確認しておきたいのは、次の3つです。
① 自社の許可・認定を確認する
まずは、現在保有している廃棄物処分業の許可や認定の内容を確認しましょう。
特に、実際に行っている中間処理業務が制度の対象に該当するか整理しておく必要があります。
② 優良機関認証に備える
優良機関認証では、書面だけでなく実地での確認も予定されています。
具体的な審査基準の公表を待ちながら、法令遵守の状況や安全衛生管理、外国人材への指導体制などを整理しておくとよいでしょう。
③ 採用・支援体制を検討する
特定技能外国人を採用する場合は、技能評価試験や日本語能力の要件を満たした人材を確保する必要があります。
また、採用後は生活支援や相談対応、定期面談なども必要になります。
登録支援機関に委託する場合は、資源循環分野の条件に対応できる機関かどうかを事前に確認しておくことが重要です。
採用する人材だけでなく、企業側の受入れ条件や支援体制を整えておくことが、円滑な外国人材採用につながります。
まとめ
2026年7月30日、資源循環分野の特定技能外国人受入れ基準を定める環境省告示第36号が公布されました。
今回の告示では、対象事業者の要件や協議会への加入、優良機関認証、登録支援機関への委託条件などが正式に定められています。
特に注意したいのは、廃棄物処分業の許可があるだけでは、外国人材を受け入れられるわけではないという点です。
協議会への加入や優良機関認証などを含め、制度上の条件を満たす必要があります。
KAKKIでは、外国人材の採用では、人材の確保だけでなく、受入れ企業の体制を事前に整えておくことが重要だと考えています。
株式会社活喜(KAKKI)では、外国人材紹介や登録支援、日本語教育の視点から、企業様の外国人材採用に関するご相談に対応しています。
資源循環分野で外国人材の受入れをご検討の企業様は、お気軽にご相談ください。
参考資料
- 環境省「資源循環分野における特定技能制度及び育成就労制度」
- 環境省告示第36号(2026年7月30日・JILPT掲載の告示原文)
- 資源循環分野 外国人材受入れ支援サイト
- 資源循環分野 外国人材受入れ支援サイト「よくある質問」
※本記事は2026年7月30日の告示を中心に解説しています。告示は公布日に適用されましたが、これだけで外国人材の採用が直ちに可能となるわけではありません。協議会への加入や技能評価試験など、実際の受入れに関する最新情報をご確認ください。