2026年8月28日、出入国在留管理庁は、特定技能制度の「ビルクリーニング分野」「鉄道分野」「飲食料品製造業分野」に関する運用要領を改正しました。
今回の改正では、特定技能2号に求められる日本語能力や、外国人材が従事できる業務の範囲、受入れ企業の対応事項などがより具体的に示されています。
また、在留資格の申請に使用する分野別の参考様式も変更されています。
「特定技能2号への移行には日本語試験が必要になるのか」
「清掃業務以外の仕事はどこまで任せられるのか」
「現在使用している申請書類はそのまま使えるのか」
こうした疑問を持つ企業もあるのではないでしょうか。
今回は、2026年8月28日の改正内容をもとに、ビルクリーニング分野の主な変更点と、受入れ企業が準備しておきたいポイントについて解説します。
この記事のポイント: 2026年8月28日、特定技能「ビルクリーニング分野」の運用要領が改正されました。特定技能2号の日本語能力要件や関連業務の範囲、実務経験証明書の交付などが明確になり、申請書類も変更されています。外国人材を受け入れる企業は、最新の要件を確認しておくことが重要です。
1.今回の運用要領改正で何が変わった?
今回の改正では、外国人材の受入れに関する複数の項目が見直されました。
主な変更内容は次のとおりです。
| 項目 | 主な変更内容 |
|---|---|
| 日本語能力 | 特定技能2号にB1相当以上の要件を明記 |
| 技能実習からの移行 | 特定技能1号への試験免除の取扱いを整理 |
| 関連業務 | 従事できる業務の範囲を明確化 |
| 実務経験証明書 | 本人の求めに応じた交付義務を明記 |
| 申請書類 | 分野別参考様式を変更 |
また、厚生労働省が外国人材の育成・キャリア形成プログラムを策定することも示されています。
特に注目したいのが、特定技能2号の日本語能力要件と、受入れ企業に求められる対応です。
2.特定技能2号に日本語能力の要件が追加
今回の改正で、特に重要なのが日本語能力に関する変更です。
これまでビルクリーニング分野の特定技能2号では、技能試験や実務経験などが求められていましたが、日本語能力について明確な試験要件は設けられていませんでした。
今回の改正では、2027年4月1日以降の在留資格認定証明書交付申請について、B1相当以上の日本語能力が必要とされています。
B1は、一般的にJLPT N3程度が目安となる水準ですが、正式な判定方法は入管庁が認める試験等によって確認する必要があります。
なお、在留資格変更・更新申請への適用については、別途取扱いが案内される予定です。
なぜ特定技能2号には日本語能力が必要?
特定技能2号では、現場で清掃作業を行うだけでなく、複数の作業員を指導したり、現場を管理したりする役割も求められます。
例えば、
- 作業員への業務指示
- 清掃品質の確認
- 作業の進捗管理
- 顧客や他の従業員との連絡・調整
などです。
こうした業務では、清掃技術だけでなく、相手に説明したり、状況を報告したりする日本語能力も重要になります。
そのため、将来的に特定技能2号への移行を考えている企業は、技能と日本語能力をあわせて育成することが大切です。
3.関連業務と実務経験証明書の取扱いが明確化
今回の改正では、日本語能力以外にも、実際の清掃現場に関係する変更があります。
① 関連業務の範囲が明確に
ビルクリーニング分野で特定技能外国人が主に従事するのは、多数の利用者が利用する建築物の内部清掃です。
一方、清掃に従事する日本人が通常行う関連業務についても、付随的に担当することが認められています。
今回の改正では、職務記述書に記載された関連業務はあくまで例示であり、記載のない仕事がすべて禁止されるわけではないことが明確になりました。
ただし、住宅内部の清掃、いわゆるハウスクリーニングは、関連業務として認められていません。
また、関連業務だけに従事させることも認められないため、仕事内容を適切に確認する必要があります。
② 実務経験証明書の交付が必要
今回の改正では、外国人材本人から求められた場合、ビルクリーニング分野での実務経験を証明する書類を交付することが明確に定められました。
例えば、外国人材が将来的に特定技能2号へ移行する場合などに、これまでの実務経験を証明する資料が必要になることがあります。
そのため、企業は外国人材が従事した業務や勤務期間、現場での役割などを記録しておくことが重要です。
なお、実務経験の証明は、紙の書類だけでなく電子的な記録による提供も認められています。
4.申請書類の変更と企業が準備すべきこと
今回の改正に伴い、在留資格の申請で使用する分野別参考様式も変更されました。
ビルクリーニング分野で確認しておきたい主な書類は次のとおりです。
- 分野参考様式第2-1号: ビルクリーニング分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書
- 協議会の構成員資格証明書: 分野別協議会への加入状況を証明する書類
- 営業所の登録を確認する資料: 建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録に関する書類
- 技能・日本語能力の証明資料: 申請する在留資格や本人の経歴に応じた書類
※必要な書類は、申請の種類や外国人材本人の状況によって異なります。
特に、改正前の参考様式をそのまま使用せず、最新の様式を確認することが重要です。
また、受入れ企業は、引き続き次の点にも注意する必要があります。
① 営業所の登録状況を確認する
ビルクリーニング分野で外国人材を受け入れるには、都道府県知事による建築物清掃業、または建築物環境衛生総合管理業の登録を受けた営業所であることが必要です。
この登録は法人単位ではなく、営業所単位で求められます。
② 日本語教育と育成体制を整える
特定技能2号への移行を見据える場合は、技能だけでなく、日本語能力の向上も考えておくことが重要です。
株式会社活喜(KAKKI)には、豊富な日本語教育経験を持つ国家資格「登録日本語教員」が在籍しており、外国人材向けの日本語教育を提供することが可能です。
試験対策だけでなく、職場でのコミュニケーションや、現場管理に必要な日本語教育をご検討の企業様は、お気軽にご相談ください。
③ 将来的なキャリア形成を考える
外国人材に長く活躍してもらうためには、清掃技術の習得だけでなく、後輩の指導や現場管理など、将来的な役割を考えることも重要です。
特定技能1号から2号への移行を見据え、段階的に経験を積める環境を整えておくとよいでしょう。
関連記事:【2026年最新】特定技能「ビルクリーニング」の課題と企業の取組事例
まとめ
2026年8月28日、特定技能「ビルクリーニング分野」の運用要領が改正されました。
今回の改正では、特定技能2号の日本語能力要件や関連業務の範囲、実務経験証明書の交付などが明確になり、分野別参考様式も変更されています。
特に、特定技能2号への移行を考えている企業は、技能だけでなく、日本語能力や現場管理の経験を身につけられる環境を整えておくことが重要です。
KAKKIでは、外国人材の採用は、人材を確保することだけでなく、採用後に成長し、長く活躍してもらうことが大切だと考えています。
外国人材の採用や受入れ体制の見直しをご検討の企業様は、お気軽にご相談ください。
参考資料
- 出入国在留管理庁「特定技能運用要領・様式等」
- 厚生労働省「ビルクリーニング分野における特定技能・育成就労制度の概要」
- JITCO「特定の分野に係る要領別冊が一部改正されました」
- 出入国在留管理庁「日本語能力水準B1相当以上の確認開始時期について」
※本記事は2026年8月28日の改正内容を中心に解説しています。特定技能2号の日本語能力要件は申請の種類によって適用時期が異なるため、実際の申請に当たっては最新の公式情報をご確認ください。